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「Vol.7 更なる高みへ-」

2019.08. UPDATE
 令和初の夏、第101回全国高校野球選手権大会での初優勝、履正社高等学校にご声援をいただいた全ての皆さまに衷心より厚く御礼を申しあげます。
   硬式野球部の皆さん、ありがとう、本当にありがとう。よく頑張りました。
 全国3730校の中から勝ち抜いたのは大したものです。震えました。前回この理事長だよりで「“栄冠は君に輝く”の曲のもと、グラウンドを周回する勇姿が見れることを願っている」と書きましたが、それが現実に叶うとは無上の喜びです。
 
   今回の優勝は一丸となって真摯に野球に向き合った努力と精神力の賜物です。清水大成投手がホームランを浴び一挙に3失点したとき、野口海音捕手が「仲間が返してくれる」と声をかけたと聞きましたが、追い詰められた局面でも力を合わせれば突破できることを示してくれました。
 そして、試合当日だけではなく優勝の背景には、本校の仲間、先輩、ご家族、地元の方々、大会運営の方々、学園内外の関係者、野球を愛する数え切れない人々のご支援があったからこその結果です。アルプス席で一度も座らずに試合を見守った平嶋大輔トレーナー、応援に力を貸してくれた府立桜塚、刀根山高等学校の吹奏楽部の皆さん、様々な方々のお蔭でつかんだ勝利です。スタンドから声を限りに応援する選手や生徒の皆さんの姿にも心を打たれました。
 
  また、優勝に結びついたのはよきチームと戦えたこともあります。戦った相手をリスペクトする。彼らがいたからこの感動があるのです。岡田龍生監督は「奥川君にチームを大きくしてもらったと思っています」と答え、3ランを打った井上広大選手も「お互いに全力を出し切った結果、自分たちが勝っただけなんで、うれしいです」と言ってましたね。
   
   2011FIFA女子ワールドカップでサッカー女子日本代表が優勝したとき宮間あや選手は、アメリカ選手たちのところへ一人で向かい健闘を称えました。2018平昌冬季五輪スピードスケート女子500メートルで優勝した小平奈緒選手は、2位の韓国代表李相花選手を抱きしめねぎらいました。
 
   切磋琢磨し全力を尽くした者同士しか得ることができないスポーツマンシップを、相手を敬う心を、これからも忘れないでいてください。春に敗れ決勝で再び対戦した星稜高等学校をはじめ、大阪大会、全国大会で出会った選手たち、一人で優勝旗を返還に来た前年度優勝校・大阪桐蔭高等学校の中野波来主将の姿。いいライバルいるからここまで来れたのです。

   最後になりましたが、関西吹奏楽コンクール高校小編成の部で吹奏楽部が金賞を、女子硬式野球部が全国大会で準優勝をしました。素晴らしい結果です。わくわくドキドキの夏をありがとう。実は17日に行われた吹奏楽コンクールと甲子園の試合が重なるという事態が起きました。そんなとき助けてくれたのが、一回戦から合同演奏をしてくれた府立桜塚、刀根山高校の吹奏楽部の皆さん。本校の吹奏楽部が不在にも関わらず、両校だけでがんばってくれたのです。大舞台で育まれた友情に感謝の思いでいっぱいです。
 
   さあ、また新しい明日が始まります。
「更なる高みへ一」。自由、公正、勇気と責任をもって力強くふみおこなう   こと。校訓である「履正不畏」の精神で共に歩んで行きましょう。
2019年08月
学校法人履正社 理事長
釜谷 等