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「Vol.4 ちょっと夜空を見てみよう!」

2019.07. UPDATE
 7月は七夕。夜空を見上げてみたくなる、夏はそんな季節のように思います。

 私がみなさんぐらいだった1969年にアメリカの宇宙船アポロ11号が史上初の月着陸に成功しました。SFの世界さながらに、宇宙服の人間が月に降り立ち、その映像が世界中にテレビ中継されるのを見て衝撃を受けたのを覚えています。「人間にとっては小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ」。アームストロング船長の言葉はとても有名です。そして地球へ持ち帰った「月の石」は1970年の日本万国博覧会でも展示され、私も長蛇の列に並んで見物をしました。

 宇宙や時空の不思議は、誰もが一度ならず心を惹かれるテーマですよね。古来よりその謎に迫ろうとした人々がたくさんいました。コペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ホーキング博士などキラ星の天才たちは勿論のこと、天体の運行を観測して暦をつくった人、時を計測した人々など、有名無名、どの時代どの国にもチャレンジャーがいて、一歩、一歩進んできたのだと思います。

 今年に入って宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究者たちも大きな成果を挙げつつあります。今年2月、探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」へタッチダウンし、地表物質の採取に成功。今月中には弾丸を発射して人工的に作ったクレーターへ2回目のタッチダウンを試み、太陽光や宇宙線の影響を受けていない地下物質の採取に挑みます。これら物質の粒子を調べることで地球の誕生、水や有機物発生の起源など、今まで謎だったことが解明されるのではと期待されています。(本稿は2019.7.1記載)

 やはり今年、日本チームも参加した国際チームが、世界6カ所の電波望遠鏡をつないで地球サイズの巨大な望遠鏡を構築し、「超長基線電波干渉法(VLBI)」と呼ばれる観測方法で史上初、ブラックホールの輪郭撮影に成功。銀河の真ん中にブラックホールが存在することを決定づけるもので、宇宙成り立ちの解明に一歩ステップアップしたようです。

 何千年、何百年もの間、先人たちが同じ空を見つめて謎を解こうとしてきた宇宙。未知なるものへの挑戦に魅了された人々が才能を開花させてきた宇宙。みなさんもちょっと夜空を眺めてみませんか。何かひらめくかもしれませんよ。チャレンジャーの誕生を期待しています。

                              ☆

 履正社学園豊中中学校では毎年、超絶人気イベント『STAR WATCHING』を開催しています。本校理科部が全力投球する催しで、第8回目となる今年は晴天率の高い11月2日(土)に実施予定です。「神戸大学天文研究会」&「星くらぶM57」の応援を受け、例年700名ほどが参加する関西最大級の天体観測会に成長して来ました。当夜は生徒たちがスタッフとして“おもてなし”。一緒に観測する少年少女とその保護者を募集します。ふるってご応募ください。
☆詳しくは本校HPでお知らせする予定です。(要予約定員制)

2019年07月
学校法人履正社 理事長
釜谷 等